初心者がクラシックコンサートを楽しむ方法とメリット

先日、友人のクラリネット奏者の佐藤兼右さん主催のクラリネットコンサートに行ってきた。

僕はそもそもクラシック音楽について、全く知らない。

知らないどころか、興味もほとんどない。

小学校、中学校、高校と吹奏楽部で楽器を演奏してきたけれど

どちらかというと流行りのJ-POPを演奏するのが楽しかった、くらいしか思い出がない。 

そんな、なぜその場にいたのか正直ちょっと心配になるような僕が

クラシックコンサートというレベルの高い娯楽の代名詞的なイベントに行って

クラシック音楽をどうやって楽しめばいいか、色々考えた結果や

どうしてクラシックコンサートは敷居が高いのかなど頭でもやもや考えたことを

今回は記事にしてみることにした。

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目次

クラシック音楽ってそもそもなに?

まずはクラシック音楽の定義を知ることから始めたい。(僕も知らない。)

クラシックという単語には「古典的」という意味があり、クラシック音楽というと古典的な音楽ということになる。

具体的には17世紀~20世紀代前半までのヨーロッパを中心とした西洋音楽のことを指すみたいだ。

前に、佐藤兼右さんに

『ねえ、鬼滅の刃の音楽を演奏してよ!鬼滅の刃は大正時代の話だから、クラシック音楽ってことになるでしょ!?』

と、言ったことがあるが、大変頭の悪いことを言っていたと、今になって後悔している。(もちろん却下された、1秒で)

話を戻すけれど、

特にドイツとオーストリアの作曲家が多く、数々の偉大な作曲家を排出しているので

クラシック音楽の原点はドイツとオーストラリア、あとはそのあたり付近の国々の音楽ってことになる。

今回、後半に演奏していたのは有名なオペラの「カルメン」の曲。

全く知識のない僕でも名前くらいは聞いたことがある。

カルメンってフランス人の作曲家がスペインに旅行して、そこで着想を得て作ったらしい。

ん…?あれ?

クラシック音楽の代表はドイツ、オーストリア、今回聞いたのはフランス人作曲家がスペイン旅行の時に思いついた曲をフランスで書いている。

えっと…あの…、では、どういう想像をすれば…?

自分でも何を言ってるかわからないけど、クラシック音楽初心者にはちょっとハードルが高すぎるスタートだったかも、と今になって思う。

音楽を楽しむ、とは?

音楽は目で見ることや文字で理解することも出来ないとても抽象度の高い芸術だ。

なので楽しむためには、音を自分の経験や想像に置き換えて頭の中と音をリンクさせて『浸る』事が大事だと思う。

例えば歌詞がある歌、であれば、文字でなんとなく作者の言いたいことやイメージする情景を捉えることができる。 

しかし、クラシック音楽といえば僕が理解できる歌詞もなければ、その時代に生きてすらいない。

ましてや、題名も、

「闘牛士の曲」→赤いヒラヒラ持って逃げる人

「ハバネラ」→ハバネロ?

「セギディーリャ」→ああ、セギディーリャね、うん、まあ昨日した。セギディーリャでしょ?

と、何を言っているのかまーったくわからないときたもんだ。

日本をテーマにした曲や、クリスマス、動物、行事などの想像しやすい具体性があるテーマの曲なら楽しみやすいが、

やはり、行ったことが無い場所の生きていない時代の音楽というのは想像が非常に難しい。

でもせっかく高いお金を払ってクラシックコンサートを聞きに来たのだから、音と一緒に浸る楽しみを味わいたい。

初心者がクラシックコンサートを楽しむ方法

そこで僕と同じようなレベルの初心者向けに、魔王クラシックコンサートの具体的な攻略法として紹介したいのが、

パンフレットにあるそれぞれの曲の説明をしっかり読み込んで、

まずは曲のイメージとしている場所や景色に想像をふくらませること。

あとは、登場人物がいるならその人のイメージ。

基本的にはクラシックコンサートのパンフレットには、曲の解説が載っている。

まあこれも、解説というほどの詳しい内容まで載せてないものもあるけれど…

(幸い、佐藤さんのコンサートは基本的に解説がバッチリ載っているので、ありがたやーと思って読み込んでいる。)

今回は曲を聞く前から、

フランス人作家がスペイン旅行にいった経験をもとに作った、想像の中のスペインをイメージして作った曲

ということがわかっていたから

「なんか複雑だけど、作曲家のフランス人のイメージしたスペインだから、実際のスペイン人からしたら、全然違うじゃん!!ってなるかも知れないぞ、だから僕も勝手に想像してもいいな!がはは」

みたいに思っていた。

まずはスペインの町中やスペインのダンス、スペイン料理をイメージしてみる。

スペインに行ったことはないけれど。

過去に読んだ映画や小説、テレビの海外旅行番組から得た『経験や記憶』を引っ張り出して、なんとか自分流のスペインを作り出してみる。

あとは登場するカルメンとドン・ホセなども自由に想像する。

カルメンは出来るだけ美人かつ、なんとなくフラメンコ踊ってる風な人に。

ドン・ホセはドンってついてるし葉巻を吸ってそうな恰幅の良いおじさんにしようかな。みたいな。

そのイメージと実際の演奏している音楽をリンクさせると、頭の中で作り出した自分流のスペインと登場人物が動き出して、

「あれ、楽しいかも。」

という感覚になれた。

これだ!これがクラシック音楽を楽しいと思えた瞬間である。

想像の中のカルメンやドン・ホセが、生き生きと踊ったり人を騙しているのをみて

カルメンはやり手だなぁと思ったり、利用されたドン・ホセに同情したり

色々な想像をする。

曲のなかでも、カルメンのずる賢さ、闘牛士のキリッと胸を張って堂々と歩く様、愛の中になにやら黒いものを感じるドン・ホセ、

こんな感じで要所要所で、伝わるところがある。

それを探して、想像とリンクさせるのがこれまた面白かった。

ただ、やっぱり想像の中の大丈夫さん流「カルメン」では限りがあることも感じた。

クラシックコンサートの敷居が高い理由

クラシックコンサートはなんとなく上流階級の楽しみ、というイメージがある

これについて、なぜこんなに敷居が高く感じるのか、色々と思考してみた。

結論としては、やはりクラシックを楽しむための土台となる旅行の経験や知識があるかどうかが面白さにつながるからだと思う。

だからお金や時間がない人達は、海外旅行やその周辺の知識を集めることができないので

想像の「材料」がなさすぎて、抽象度の高い芸術に楽しみを見いだせない。

その中でも特にクラシック音楽のコンサートは、人を選びやすいので、一般化されにくいのだと感じた。

もっとその時代の空気感や現地の空気を味わえる旅行や映画、本などで想像の取っ掛かりを見つけると、

より今回のようなクラシックコンサートを楽しめるのだろう、と感じた。

やっぱり時間があれば経験のために旅行にいくべきだ、とも改めて実感した(自分に言い聞かせてる)

経験をすることでいろんな情報をキャッチして、頭の中に思い描ける一種のフィルターが出来上がる。

想像力や抽象の理解力を上げる練習

今回、友人のクラシックコンサートに行くことで改めて気づいたのは、

抽象化されたものから、想像力を使って頭の中で広げることの楽しみ、だ。

昨今では、タイムパフォーマンスを意識したファスト映画や、切り抜き動画などが流行っていて

余分なものが全て切り離されて、超具体レベルまで整えられたものばかりになっている。

もちろん、素早く必要な情報を集められるのに越したことはない。

でも答えを聞いて、理解したつもりになったとしても、それでは応用が効かない、と思う。

例えば数学なんかがそう。一つ一つの計算の答えはあれど、その答えを聞いただけでは他の同じような計算も解けない。必要なのはフワッとした抽象化概念である「公式」だ。

公式があれば、「あ、これはあの公式が使える問題に似ているから、これにも使えるかも」みたいに未知の問題にも応用が効く。

でも最近のタイパを意識した情報収集は、抽象化された概念ではなく、具体的な答えだけを集める行動。

すなわち、頭を使わない理解の方法が一般化されてきている。と僕は思う。

いわゆる、答えだけを教えて状態。

そんな具体的に知りたい、あんまり頭を使わずになんでも知りたい僕を含めた現代人にとって、

音楽という形のないものから色々想像して楽しむ時間に没頭できるコンサートは、

今だからこそ、想像力や抽象化能力を鍛えるうってつけの場所だと言えそうだ。

おわりに

なーんて、偉そうなことばかり書いてきたが

いわゆる僕も、頭を使わずに答えだけ教えて!タイプで生きてきた人だ。

そんな人がクラシックコンサートを通して、

せっかくお金払っているのに、楽しめないのは勿体無い!!という謎の貧乏根性で編み出した楽しみ方の結論がこれ。

形のない音楽を、作者や演奏者の作り出す抽象度の高い芸術をそのまま受け取って、

自分の頭の中で具体レベルまで(勝手に)想像して全身で楽しむことが、

満足度の高い楽しみ方だし、おまけに想像力や抽象化能力も鍛えられていいなぁって気付いた。

とにかく、クラシックコンサートは非日常を味わえるいい機会なので、行ったことない人はぜひ行ってみてほしい!

今回参加させてもらった佐藤兼右さんのクラシックコンサートは、パンフレットもしっかり作り込まれているし、何よりイケメンおじさんの演奏が素晴らしいのでオススメです。

友人の佐藤兼右先生のTwitter

以上!

久しぶりに頭を使って書いたらお腹が空きました。

おしまい。

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