
こんにちはー!
大丈夫さんです!
今回は以前から気になっていたこちらの本、
アイドルグループ「仮面女子」のメンバー、猪狩ともかさんの
「生きていたら何だって出来る!一歩ずつ前に進むための55の言葉」
を読んでみました。
こちらの著者の猪狩ともかさんは2018年の4月に倒れてきた看板に当たり、脊髄(背中の神経の集まり)に損傷を受け、下半身不随(両足が自由に動かせない状態)となりました。
その猪狩さんが2020年の8月に出版されたこちらの本。
読んでみると、たくさんの気付きや猪狩さんの「強さ」、
これから僕たちが「障がい」を持つ人たちをどのように感じ、理解していけば良いのかのヒントが至る所に見つけることが出来ました。
これは皆さんにシェアしたい!!と思い、記事にしてみました。
ちなみに大丈夫さんは、本職が「理学療法士」です。
なので、猪狩さんのような「脊髄損傷」を負って車椅子生活となった人のリハビリを何人もお手伝いしてきました。
だからこそ感じたこと、気持ちの変化、気付きなどをお伝えできたらいいなと思います。
猪狩ともかさんを襲った事故

猪狩さんは2018年の4月に、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、脊髄損傷を受けました。
激しい痛み、呼吸ができない、動けない、声が出せない、苦しい、辛い、助けて。
当時の猪狩さんの、痛みや苦しみ、混乱、絶望がリアルに表現されており、読み進めるのがかなり辛くなりました。
そして何より、猪狩さんがずっとずっと目指していたアイドルの「トップメンバー」になって、かなり早い段階での事故。
その頃の猪狩さんがどんな思いだったのか…感じることはできませんが、自分だったらと思うと確実に心折れていたと思います。
普段、僕は猪狩さんの様な「車椅子生活をされている若い人」とよく話すことがあります。
そして、そういう方、皆さんもれなく「笑顔」なんですよね。だから、その人たちが体験した壮絶な過去をあまり具体的に想像することが出来ませんでした。
この猪狩さんのエッセイを読むことで、「今」の彼女たちしかみていない、自分に気付くことが出来ました。
猪狩ともかさんの強さ

家族の支え、アイドル仲間からの支え、医療スタッフからの支え。
沢山の人の支えがあって、今はアイドル活動やテレビに出ること、本を出版することが出来たんです!
と書いてありました。
しかし、僕は、たとえ周りからのサポートが充実していたとはいえ、彼女自身の強さが相当なものだと感じました。
本の中には
- 「事故に遭わなかったら有名になっていなかった人だよね」
- 「車椅子であることを利用して名前を売っている」
- 「(車椅子の子)見せ物にしている」
という批判の声も多いとありました。
猪狩さんはこの言葉を目にしても、
「人前に出ることを自ら選んでいるのだから、心ないことを言われるのも、ある程度は仕方がないと思っています。この言葉も、その通りだと受け止めています。」
と書かれていました。
折れようと思ったら、猪狩さんはいつでも折れることもできた。
でもそれを選ばなかった。
批判の声も全てを受け止めて、他者貢献まで発展させたというのは、間違いなく猪狩さんの「強さ」であると感じます。
人知れず努力を重ねていたからこそ成功したんだと思います。
猪狩ともかさんの持っていた「特技」

猪狩さんがご自身で言っている「特技」というものがありました。
それが、
「今いる環境を好きになること」
ということでした。
これってよく考えると、『簡単そうだけど案外できないこと』ではないでしょうか。
- 新しい職場がひどい環境だ。
- 引越し先が駅まで遠くて最悪。
- 隣の席に嫌いな奴が来た。
どうしても自分の周りのダメなところばかり探してしまう。
こういう経験の方が、どちらかというと身近に感じませんか?
ですが、この特技を持っているということは、たとえ環境が酷かったり人間関係が悪くても
「どこでもやっていける」
「どこでも適応できる」
「どんな状況になっても、前向きにいられる」
という自信がついてくると思います。
それだけで、かなり世界が明るく感じられるなと思いました。
猪狩さんから、学べる事は本当に多いです。
猪狩さんの環境を支えた人たちの声

猪狩ともかさんに声をかけた武井壮さんの「熱意」
猪狩さんは入院中に、沢山の人の声援があって、それが自分の大きな力になった、と書かれていました。
その中でも僕が1番かっこいいなぁと思ったのが、「武井壮」さんの言葉でした。
「何か一つでも人よりすごいものがあれば、それを武器にできる。だから車椅子になったことも、一つの武器と思って、それを最大限に活かせばいい」
武井壮さんらしい、熱くて美しい言葉です。
何よりすごいと思ったのは、障がいを持ってすぐの人に対しての励ましは、事によっては反対に落ち込ませることになります。しかし、武井さんはそれをわかっていながらも、それを上回る熱意で激励を送ったという事が、僕は素晴らしいと感じました。
僕自身、似たような現場にいたからこそリアルに感じることができますが、落ち込んでしまったらどうしよう、プレッシャーをかけてしまったらどうしようなど、いろいろ考えた上で発言します。
でも武井さんはそれを考えた上で、猪狩さんに伝えたい熱量が勝ったからこの言葉を言ったのではないかと感じます。
そしてその熱量を感じて、猪狩さんも「プレッシャー」や「薄っぺらい激励」と感じることなく、激励を受け止められたのではないかと感じました。
武井さん、素晴らしいの一言です。
アイドル事務所社長の言葉
猪狩さんが事故の直後にアイドル事務所の社長に言われた言葉です。
「猪狩が今後も自分のことを発信していく道を選んだら、多くの人を勇気づけることができる」
「たとえば『死のう』と思っている人が、猪狩の姿をみて、『もう少し頑張ろう』って思ってくれるかも知れない。猪狩はこれから、そういう存在になるんだよ。」
事故に遭ってすぐの当時は、自分がそんな存在になれるわけないと、猪狩さんは思っていたそうです。
ですが「死のうと思っていたけど、アイドルグループの女の子たちが頑張っているのをみて、勇気づけられた」というツイートをみて、
「人を勇気づける存在」になれるかもと、猪狩さんは気付けたそうです。
猪狩さんは活動を続ける中で
ほんの少しでも人を元気づけ、勇気を与えることができたら。それは自分の自信となり、生きる糧となる。
と感じることが出来たと言っています。
武井さんの時と同様に、こちらの社長さんも、おそらく「猪狩にどう声掛けしたらいいのか…」とかなり悩まれたと思います。
悩んだ末に出た言葉が、「猪狩は多くの人を勇気づける存在になるんだよ」という言葉。
これ以上に、的確に絶望から猪狩さんを救う声がけがあるかな?というレベルの言葉に感じました。
猪狩さんの思いは「障がい」を身近に「知ってほしい」だけ

最終章には、猪狩さんの「障がい」に対する思いや、これから自分がどう発信していくかが書いてありました。
「車椅子は確かに不便だけど、決して不幸ではない。障がいを負った私は、これからも人前に出続ける使命がある。」
そしてこの言葉に対する深い思いは、
障がいを持っている人と、そうでない人との間に壁がある原因は、「知らない」「わからない」ということだと思うんです。他ならぬ私自信がそうだったから。
お互いが接する機会があったらそれが当たり前になって、偏見や戸惑いがなくなり、障がいのある人に優しくできるのでは?社会の理解が進めば、障がいを持った人はもっと社会に出て行きやすくなると思う。
という思いがあると伝えていました。
たくさんの記事を書いてきて、最後の方に僕がいつも言っていることでもありますが、
「知っている」か「知らないか」
これは僕らが想像しているよりも遥かに大きな差になると思います。
「この程度の段差なら、車椅子でも越えられるだろう」
と感じる場所があるかもしれませんが、段差は車椅子の方にとってかなりの障害です。
「こんなに長いスロープいるの?」
と感じることがあるかもしれませんが、
20センチの低い階段一段でも、スロープは最低でも240センチ必要なんです。2.4メートルです。
最低でも12倍の長さが必要になります。
ちなみにこれでも腕の力が相当ないと上がるのがキツイです。
あとは、代表的なのはトイレでしょうか。
障がい者用のトイレであっても、入った時に、
「いやぁ、これじゃ狭すぎて無理だろうなぁ…」と感じることがあります。
外出先でのトイレ事情に悩んで、「家から出られなくなってしまった人」を何人も見てきました。
猪狩さんも、おそらく同じ気持ちでいると思いますが、
「理解してほしい!!わかってほしい!!」と強く要求しているわけではないと思います。
「こういうところで苦労している人もいるんだなぁ。」
ということや、反対に、
「ハンディキャップを背負っても、こんな事は出来ます!」
ということを「ただ知ってほしい」という気持ちだと思います。
「知っているだけ」で、「見方」が変わります。
「見方」が変われば「配慮」をしてくれる人もいれば、「行動」をしてくれる人もいます。
逆に批判的だった人が猪狩さんを見ることで「批判しなくなる」という行動に出る事もあると思います。
まとめ

24時間テレビなどの裏で、「感動ポルノ」なんて言葉が一時期、流行りましたよね。
僕はそれを聞いて、「なるほど、そういう捉え方をする人もいるのか」と思いました。
僕はこれに関して、決して批判的にではなく、そういう捉え方をする人がいることを「知った」ということを大事にしています。
全員が全員、「知った」事に対して「良い」ように捉えるわけではないんだ、という事に気付けたのをきっかけに視野が広がりました。
今回の猪狩さんの本を読んで、僕なりに猪狩さんの伝えたい「思い」を感じ取ることができ、それを頭の中で反芻(はんすう)してなんとかブログを書くことができました。
おそらく、読んだ方一人一人違った「受け取り方」をすると思いますが、
今回僕が伝えたいと思ったのは、
批判的に捉えても、受容する捉え方をしてもどちらでも良いので、いろんな声や情報に反応する前に猪狩さんのことやハンディキャップを抱えた人の背景を見る、知るという行動をして、『自分で思考する』時間を作ってみてはどうでしょうか?
ということでした。
こちらの本、本当にたくさんの気付きを得ることができました!
著者の猪狩さんには、本当に感謝しています。
これからも僕は彼女の活動を応援したいと思います。

では、今回はこれで!
今回の記事、よかったなぁとか新しい気付きを得たよ!って方はコメントしていただけると大丈夫さん嬉しいです!
あと、TwitterでRTや感想付きの引用RTしてくれるとやる気が出ます!
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